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河村 弘; 土谷 邦彦
FZKA-6720, p.151 - 160, 2002/06
LiO,LiTiO,LiZrO及びLiSiOのようなリチウム含有セラミックスがトリチウム増殖材として提案されているが、特に低温でのトリチウム放出性,化学的安定性等の観点から、LiTiOが注目されている。また、熱応力割れの回避等のため、直径0.2~2.0mmの微小球が形状として選定されている。このため、原研では、トリチウム増殖材微小球の湿式法による製造技術開発を行っている。一方、核融合炉ブランケットを設計するために、各種物理的データや照射データ(トリチウム放出特性等)を取得することが必要不可欠である。特に、LiTiO微小球に関する照射データは少ないため、JMTRを用いてLiTiO微小球からのトリチウム放出特性等を調べている。これらの結果から、LiTiO微小球の照射温度が300に到達すると、生成したトリチウムがほぼ全量放出することが明らかになった。本会議では、トリチウム増殖材微小球開発と特性データ取得の現状について紹介する。
土谷 邦彦; 中道 勝; 長尾 美春; 榎枝 幹男; 大崎 敏雄*; 田中 知*; 河村 弘
Journal of Nuclear Science and Technology, 38(11), p.996 - 1003, 2001/11
被引用回数:23 パーセンタイル:82.31(Nuclear Science & Technology)低インベントリー,化学的安定性等の観点から、核融合炉のトリチウム増殖材としてリチウムタイタネイト(LiTiO)微小球が有望な材料の1つとされている。核融合炉ブランケットの設計には、微小球を用いたブランケット構造体の中性子照射試験データが必要である。このため、LiTiO微小球充填体を用いて核融合炉ブランケット構造を模擬した2種類の照射試験体を開発し、JMTRの中性子照射下において微小球充填体からのトリチウム回収試験を行い、トリチウム回収特性に対する照射温度,スイープガス流量等の効果について評価した。この結果、充填体温度の上昇とともに、回収量と生成量の比は増加し、充填体温度が300以上ではほぼ全量回収できること、スイープガス流量が100~900cm/minの範囲では、トリチウム回収量はほとんど影響されないことがわかった。これらの結果、LiTiO微小球充填体を用いた増殖ブランケット設計の見通しが得られた。
土谷 邦彦; 河村 弘
Fusion Technology, 39(2-Part2), p.624 - 627, 2001/03
核融合炉ブランケットで用いられるリチウム含有セラミックス製トリチウム増殖材として、取扱いの容易さ、トリチウム放出特性等の観点からリチウムタイタネイト(LiTiO)微小球が有望視されている。一方、良好なトリチウム放出性確保の観点から、微小球製造時におけるLiTiOの結晶粒径を5m以下に制御することが求められている。そのため、LiTiOにTiOを添加することを考案し、湿式造粒法により試作試験を行った。その結果、5~10%のTiO添加により、焼結後の結晶粒径が5m以下に制御できる見通しを得た。また、5%TiO添加LiTiOの熱伝導率は、無添加LiTiOとほぼ同等であるが、10%TiO添加では元のLiTiOよりも約1割高くなり、熱特性が向上することが明らかになった。これは、10%TiO添加の場合には、熱伝導率が高いLiTiOが生成するためと考えられる。
土谷 邦彦; 河村 弘
Journal of Nuclear Materials, 283-287(Part.2), p.1380 - 1384, 2000/12
被引用回数:53 パーセンタイル:93.78(Materials Science, Multidisciplinary)低温での良好なトリチウム放出特性、化学的安定性等の観点から、核融合炉ブランケットで用いられるトリチウム増殖材として、微小球形状のリチウムタイタネイト(LiTiO)が注目されている。本研究では、湿式造粒法の内、置換型ゲル化法によるLiTiO微小球の製造試験を行い、製造した微小球の基本的特性を調べた。微小球製造試験の結果、振動滴下装置を用いた場合の最適滴下組成が決定された。また、製造したLiTiO微小球の基本的特性を調べた結果、焼結密度は約80%T.D.、真球度(微小球直径の長径/短径比)が1.05であり、均一でかつ大量の微小球製造に見通しを得た。
土谷 邦彦; 中道 勝; 長尾 美春; 藤田 淳哉*; 佐川 尚司; 田中 知*; 河村 弘
Fusion Engineering and Design, 51-52, p.887 - 892, 2000/11
被引用回数:16 パーセンタイル:70.34(Nuclear Science & Technology)核融合炉ブランケット設計において、トリチウム増殖材としてリチウムタイタネイト(LiTiO)微小球が候補材の1つとして挙げられている。そのため、JMTRを用いて中性子照射下におけるLiTiO微小球充填層からのトリチウム放出試験を実施し、トリチウム放出特性に対するスイープガス流量、水素添加量及び照射温度の影響を調べた。この結果、トリチウムの放出は、LiTiO微小球充填層の中心温度が約140Cで始まることが明らかになった。また、スイープガス流量及び水素添加量を変更しても、一時的にトリチウム放出量が変化するが、数時間後、変更以前のトリチウム放出量に戻ることから、これらのパラメータがLiTiO微小球表面のトリチウムインベントリーに影響することが明らかになった。
土谷 邦彦; 河村 弘; 渡海 和俊*; 淵之土 克宏*; 澤田 博司*
Fusion Technology 1998, 2, p.1293 - 1296, 1998/00
核融合炉ブランケットで用いられるトリチウム増殖材として、低温でのトリチウム放出特性等の観点から、微小球形状のリチウムタイタネイト(LiTiO)が注目されている。本研究では、振動滴下装置を開発し、湿式造粒法によるLiTiO微小球の製造試験を行うとともに、製造した微小球の基本的特性を調べた。製造試験の結果、開発した振動滴下装置を用いた場合の最適滴下原液組成が決定されるとともに、ノズル振動数が80Hzの時、真球性の良い微小球製造が可能であった。また、製造したLiTiO微小球の基本的特性を調べた結果、焼結密度が80~85%T.D.、真球度(微小球直径の長径/短径比)が1.1以下であり、十分使用可能であるとともに、均一でかつ大量の微小球製造に見通しを得た。
河村 弘; 土谷 邦彦; 中道 勝; 藤田 淳哉*; 佐川 尚司; 長尾 美春; Y.Gohar*; 池島 義昭; 斎藤 隆; 桜井 進; et al.
Fusion Technology 1998, 2, p.1289 - 1292, 1998/00
核融合炉増殖ブランケット設計において、トリチウム増殖材として微小球形状のリチウムタイタネイト(LiTiO)が候補材の1つとして挙げられている。しかしながら、微小球形状LiTiOからの低温時(250~400C)におけるトリチウム放出特性データはほとんどない。本研究では、JMTRを用いて、中性子照射下におけるLiTiO微小球からのトリチウム放出試験を行い、トリチウム放出特性に対するスィープガス流量水素添加量及び照射温度の影響を調べた。この結果、トリチウムは増殖材充填層中心温度100Cから、除々に放出されることが明らかになった。また、放出トリチウムのガス成分割合は、水分濃度の減少とともに増加し、定常時には93%程度になった。以上の結果から、低温時におけるLiTiO微小球からのトリチウム放出特性に関する有望なデータを取得することができた。
土谷 邦彦; 河村 弘; 淵之上 克宏*; 澤田 博司*; 渡海 和俊*
JAERI-Conf 98-006, p.245 - 251, 1998/00
核融合炉ブランケットで用いられるトリチウム増殖材として、低温でのトリチウム放出性等の観点から、微小球形状のリチウムタイタネイトが注目されている。一方、微小球の製造方法としては、湿式法が最も有望視されている。予備製造試験において、リチウムタイタネイト微小球の密度は約40%T.D.であった。そのため、本研究では、湿式法によるリチウムタイタネイト微小球の密度向上試験を行った。密度向上試験の結果、微小球焼結密度が81%T.D.となり、目標焼結密度(80~85%T.D.)を満足する製造条件(熟成温度:-30C・1時間、焼結温度:1400C・4時間)が明らかになった。上記条件により製造したリチウムタイタネイト微小球の基本的特性を調べた結果、真球度は1.0~1.2、圧潰荷重は46Nであり、使用可能であることがわかった。
土谷 邦彦; 河村 弘; 淵之上 克宏*; 澤田 博司*; 渡海 和俊*
Journal of Nuclear Materials, 258-263, p.1985 - 1990, 1998/00
被引用回数:67 パーセンタイル:97.25(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉ブランケットで用いられるトリチウム増殖材として、低温でのトリチウム放出性等の観点から、微小球形状のリチウムタイタネイトが注目されている。一方、微小球の製造方法としては、低コストで生産性に優れていること、再処理から得られたリチウムを有効利用できること等の観点から湿式造粒法が最も有望視されている。そのため、本研究では、湿式造粒法によるリチウムタイタネイト微小球の各種製造試験を行うとともに、得られた微小球の基本的特性を調べた。これら製造試験の結果、微小球焼結密度が81%T.D.となり、目標焼結密度(80~85%T.D.)を満足する製造条件(熟成温度:-30C・1時間、焼結温度:1400C・4時間)が明らかになった。上記条件により製造したリチウムタイタネイト微小球の基本的特性を調べた結果、真球度(微小球直径の長径/短径比)は1.0~1.2、圧潰荷重は46Nであり、十分実使用可能であることがわかった。
土谷 邦彦; 渡海 和俊*; 斎藤 滋; 淵之上 克宏*; 古谷 武*; 河村 弘
Proc. of 5th Int. Workshop on Ceramic Breeder Blanket Interaction, 0, p.191 - 199, 1996/00
核融合炉ブランケットで用いられるトリチウム増殖材として、リチウム含有セラミックスが有望視されている。特に、リチウム含有セラミックスの中で、酸化リチウム(LiO)及びリチウムタイタネイト(LiTiO)が注目されいてる。一方、ブランケット構造の形状は複雑であり、トリチウム増殖材を充填するためには、微小球が望まれており、各種製造法により微小球製造技術開発を行った。製造方法の中で、特に湿式法は、微小球の大量製造等の観点から、他の製造法と比較して有利である。また、リチウムリサイクルの観点からも優れていると考えられている。本研究では、高温ガス炉燃料の製造で技術確立しているゲル沈澱法を応用し、大量製造に適した湿式法によりLiO微小球及びLiTiO微小球の製造技術開発の現状について報告する。